ギソウ

もうここ数年の日本社会を彩るおなじみのキーワードとなってしまった「偽装」だが、高校の友人が勤める会社でもとうとう新ジャンルの偽装事件が勃発。

というか前から内在してたわけだが、例の古紙配合率偽装である。

しかし、耐震偽装や耐火偽装、食品偽装と違って、人の生き死にや健康に直接影響のない分野での話とあって、基準不適合品を使用していたひとが何か直接的に不利益を被るかというとどうもそうではない。法律で定められている強行的な最低基準に違反したわけではなく、契約で決めた基準に合致しないものを納入していたということだ。要は売買契約の目的物に隠れたる瑕疵があった。しかしその瑕疵も経済的な手痛い被害というよりは、リサイクルを通じた環境保全への貢献というかなり漠然とした社会的責務の不履行という何となくシャクゼンとしない民事事件だ。

友人にも電話でいろいろ聞かされたが、実際「環境に良し」とされる古紙100%でやろうとすると品質は落ちるし費用もかさむそうで、この偽装は、鉄筋抜いて建築費用を安上がりにしようとした耐震偽装とはベクトルがやや違う方向を向いている。

おかげで、紙の大量消費で仕事が成り立っている我が社では、従来の「リサイクル100」と箱に書かれた紙が納入されなくなって、その代わりに「中性紙」という、比べてみると実に真っ白な紙が納入されるようになった。

いったいこの事件は我々の社会に何を問いかけとるんやろか。


どうでもいいですが、「カミノギソウ」という用語を聞いて震え上がったカツラユーザがどれだけいたんだろうか。ちなみに俺は髪の毛が「乗ってるように見える」とよく言われますが、とりあえずまだかろうじて地毛を保ってます。時間の問題ですが。。