ドラクエのモンスターみたい。

世の中にはすげー生き物がおるんやな。

海底には300度の熱水が吹き出る噴出孔(「熱水噴出孔」)があって、そんな過酷な環境にも関わらず特殊な生態系が出来上がってるってのはご存知のひともいると思います。原始の地球で生物が誕生した謎を解く手がかりになるかもしれないと、世界中の生物学者がこぞって調査に乗り出してます。で、その環境下で暮らす生き物の中に、なんと鉄のウロコを持つ巻貝がいるっちゅー話をさっきテレビで見ました。

その名もスケーリーフット。ビッグフットみたいな名前やな。

2001年にアメリカの研究チームがインド洋で発見したというその貝は、こんなやつです。

貝がらの下にくっついとる黒い部分にご注目。これは硫化鉄でできたウロコ。熱水噴出孔の周りにはエビやらカニやらの外敵がうようよいますが、このウロコがあるおかげで殻にひっこまなくても済むんだとか。
で、ウロコについてもう少し正確に言うと、内部は貝がらと同じたんぱく質で出来てるんですが、その上を硫化鉄がカバーしている。この硫化鉄の形成過程はいまだによく分かっていない部分があるらしいが、体内に共生させている細菌(ピロリ菌の祖先だそうです)が関係しているとか。熱水噴出孔は硫化水素を多く含んでおり、細菌の作用によってそこから硫黄を取り出している。それと鉄分を体内で反応させて硫化鉄のウロコを作っていると考えられているが、詳しいメカニズムは謎。

…ぶっちゃけた話、いちいち鉄のウロコなんか作らなくても貝殻自体の形を変化させるような進化をすればこんなややこしいことしなくてもいい気がするんですが、これがたぶんスケーリーフット氏にとっては最適の形態なんでしょう。

いずれにしても不思議な生き物です。去年、江ノ島水族館にサンプルが展示されたらしいです。