サーバント・リーダーへ

いいリーダーって何だろう。たぶん、リーダーにも種類があって、それぞれの状況に応じた最適なリーダーシップの取り方があるのではないかと、最近何となく思う。

これまで、職場の内外を問わず、いろんな「リーダー」の立場にあるはずの人たちを見てきた。自分の役割をしっかり把握して、最高のパフォーマンスを見せる「リーダー」もいた。一方で、ただ座ってるだけだったり、かえって状況をややこしくしたり、部下を困らせるだけだったりの「ミスリーダー」もいた。

前の職場から今の職場へ移り変わって、自分の求められるリーダーシップにも違いがあるなぁと感じる。前の職場は、とにかく、全体の進行状況を見て、必要な作業、課題を抽出して、みんなにやらせてそれをチェックしていればよかった。周りはみんな自分より職務経験の長いひとたちで、こっちがあれこれ細かい指示を出さなくても確実に作業結果の返ってくるので、俺のような最年少リーダーにとっては「楽ちん」な環境だった。

しかし、今は状況が違う。実働部隊のメンバーはそれぞれの能力は高いが、これから経験値を上げていこうという若手の人間がたくさん集まっている。そういう中で、自分はまた別のリーダーシップを取らなければならない。ただあれやれこれやれと言っているだけでは、彼らは育たないし、ついてきてもらえない。彼らが抱える問題を一緒になって考えていく、地道で丁寧な作業が必要になる。

「サーバント・リーダー」という言葉があるが、まさにそうあるべきなのだろう。

一段上に立つようなリーダーではなく、同じ目線で、同じ立場で、同じ苦労を分かち合い、ともにチームと歩み、チームに奉仕するリーダーだ。うちの職場はただでさえ、縦に長く長く連なった硬直的な組織である。そういう中で、せっかく特定のイシューに対応するために特別に編成されたチームに我々はいるのであるから、そこではフラットな組織形成を目指してもいいはずだ。

とにかく、今の職場は自分にとって極めて実験的である。どうやったらチームが最大のパフォーマンスを発揮できるか。どうやったら個々のメンバーがそれぞれのタスク達成に満足できるか。それとともに、次につながる課題を見つけやすくするためにどうすればいいか。いわゆる「ライン」ではない、フラットなオーガナイゼーションでどこまでできるのか、試してみたい。