終わって始まる。

長らく携わってきた一連の改革も、昨日無事全会一致で国会の了解をとりつけ、ようやく枠組みが定まった。
残る課題は瑕疵担保責任の履行確保措置である。社会の理解をできるだけたくさん得られるシステムの提案に向けて、担当チームが現在鋭意作業中であるが、おそらくこれまでどのような立法政策も切り込んだことのない、無尽の荒野の世界であるだろう。

そして、制度が出来ただけで全てが解決するわけではない。
出来上がった制度が今後も長期的に社会に役立つとは限らない。
その当たり前のことが分かっていない人間が、役人の世界にいかに多いことか。
あぁはなりたくないと思いつつ、しかし一方でどうしても影響を受ける社会のお一人お一人に対して、行政サービスの提供者としての丁寧なアプローチがなかなかできない自分の至らなさを大変申し訳なく思う。

日々精進あるのみ。

毎日新聞 2006年12月13日 東京夕刊

耐震計算偽造:再発防止、改正建築3法が成立−−2年後施行
 耐震データ偽造事件の再発防止を目指す「建築3法」(建築士法建築基準法、建設業法)の改正法案が13日、参院本会議で可決・成立した。構造計算と設備設計の各専門資格者制度を創設し、一定規模以上の建築物のチェックを義務付けることなどが柱。2年後に施行する。

 改正は、建築士の罰則強化などを導入した6月の建築基準法改正に続く再発防止策。専門資格の創設に加え、1級建築士の能力維持のために3〜5年に1回の講習を義務付けた。【種市房子】

日経新聞 2006年12月13日

改正建築士法が成立、耐震偽装防止へ新資格創設
 耐震強度偽装事件の再発を防止するため、一定規模以上の建物の構造や設備を設計するのに必要な「構造設計一級建築士」などの新資格の創設を盛り込んだ改正建築士法が13日午前、参院本会議で全会一致で可決、成立した。新資格の認定に時間がかかるため、施行は2年後の見込み。

 対象となるのは、構造設計は高さ20メートル以上、設備設計は3階建て以上・床面積5000平方メートル以上の建物。5年以上の実務経験を積んだうえで講習を受け国に認定された「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」だけが、設計を担当できる。

 すべての建築士が3―5年ごとに講習を受ける仕組みも設けた。

 今回の法改正は今年の通常国会耐震偽装への罰則を強化したのに続く第2弾。政府はさらに、欠陥住宅の補修や建て替えの資金を確保するため、売り主に対し保険加入を義務付ける法案を来年の通常国会に提出する方針。 (10:45)

産経新聞 (2006/12/13 10:43)

改正建築士法が成立 耐震偽装の再発防止策

 一定規模以上の建物の構造設計や設備設計を行う専門の1級建築士を国が新たに認定することを柱とした改正建築士法が13日の参院本会議で可決、成立した。耐震強度偽装事件を受けた再発防止策で、一部を除き2年以内に施行する。

 建築士法が昭和25年に制定されてから、抜本的な制度改正は初めて。設計分野での専門化が進んでいる現状を踏まえ、建築士の能力や資質向上を図る。

 改正建築士法は、5年以上の実務経験を積んだ上で講習を受けた1級建築士を対象に国が「構造設計1級建築士」「設備設計1級建築士」を新たに認定。高さ20メートルを超える建物などは原則として認定された建築士が設計を行う。

 また、大学での必修科目や実務経験の内容を規定することで建築士の受験資格を厳格化。既に資格を持っている建築士についても一定期間ごとに講習の受講を義務付けた。

 このほか、分譲マンションなどで工事監理業務や設計業務を一括して下請けに出す「丸投げ」を全面的に禁止した。

 関連する項目を変更した改正建築基準法と改正建設業法も成立。国交省は、補修や建て替えの資金を確保するため、欠陥住宅の売り主に対し保険加入を義務付ける法案を、来年の通常国会に提出する方針だ。