経済研修修了

無事、研修が修了した。来週の海猿船乗船体験ツアーが終われば3週間半のパラダイスも終わってしまう。あーぁ。

今回の研修では経済学的な視点を使って、ある一定のテーマに沿った形で自由に社会問題を分析し、政策提言を行うというプレゼン発表と論文の作成が最も大きな課題であった。

この中で、俺は経済学では有名な「コースの定理」をテーマとしつつ、自由に題材を選んで論文を書けという課題を与えられた。そこで、仕事でいつもデータを使ってるのでどういう資料が揃っているかについてあれこれ悩む必要のない「建築防災政策」の具体的な検討課題として選んだ。

最終的には、耐震改修にまつわる問題点を実にうさんくさい経済学的な手法であれこれ分析した結果、耐震改修を促進するためのシステムに必要な政策立案上の条件を導きだすことができたので、これをもとにして、当事者間の協議によって耐震改修その他の措置の実施を決定するための協議手続等を定める法律案を具体的な条文として提案するという形で論文をまとめた。

この法律案の条文数はわずか10条ちょっとだが、現行の耐震改修促進施策の発想を180度変え、硬直的で非効率的であるがゆえに実効性に乏しい現在の防災政策のシステムから、柔軟で効率的な結果を得られるシステムへパラダイム・シフトするべきではないかというかなり大胆な提案を含む法律案である。

幸運なことに、この政策案に関するプレゼンテーションを全体発表会で行った結果、最優秀賞を受けることができた。実際には極めて根拠レスな「経済学的」分析を行ったものではあるが、考え方の筋道としては一個一個着実であり、できる限り具体的な政策案としてシステムの設計案を提示した上で、その功罪にまで踏み込んで検討できた点は、自分でもよく頑張った方だと思う。

そこで、自分の考え方を改めて専門的な知識のない人にも分かってもらえるように整理するため、この法律案を着想するに至った政策立案の条件設定に関する考え方について以下に述べることにする。長いけど暇なひとは読んでみて。実際に条文を書いて政策を法律に落とし込もうというときの試行錯誤が読み取れると思います。特に第6章。