空のあるまち
東京は空が少ない。
息苦しい。
むさ苦しい建築物の群れにさえぎられた空が限りなくかわいそうだ。
そんな中で、俺のオフィスがあるあたりは皮肉にも空が広い場所だと思う。
最近仕事の展開上、外にお遣いに行く機会が増えてきた。
夕方5時半ごろに交差点「財務省上」から国会議事堂の三角屋根の向こうに見える夕陽はほんとにきれいだ。
国会議事堂は霞ヶ関の官庁街から丘をのぼり切ったところにあるし周りに高い建物もないから、ほんとに空が広い。
そこを夕陽が染めていく。
夕陽に彩られると、雲がたなびいて見えるのは何でだろう。あれはいつ見ても不思議だし幻想的だ。
誰かが、「日の落ちるまでの30分間は世界が最も美しくなる時間帯」と言っていた。
運よく日没時にこの交差点に来れたときは、ここが東京のど真ん中の最も無機質な空間ということをふと忘れてしまう。
何だか俺らの業界の最上部の彼は「首都高が日本橋の景観を」云々と言って委員会まで立ち上げているようだが、それだけでは人間中心的な視点でしかない。単に人間が作ったモノ同士の調和しか考えていない。
21世紀の都市は、改めて都市の置かれた環境と向き合わなければならない。例えば、「まちの空をデザインする」ところから見直さなきゃいけないんじゃないだろうか。
もう一度、空の見えるまちへ。
この人も空が好きみたいです。
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