いろいろ

考えさせられる1週間でした。楽しいけど色々悩ましい。

そんな中、採用活動のお手伝いということで、母校の大学で20分ほどしゃべれと言われたので、就職活動始めたばっかの学生たちの前でちょっくら偉そうにしゃべってきました。就職してからの半年を振り返って、というわけです。

「俺にとってこの半年ずっとやってるテーマは『耐震化』、これに尽きます、防災政策に法制面からも税制面からも関われたのは阪神大震災経験者としてほんとにありがたい」ということをあれこれと熱く語ってみたわけだが、俺の中ではずっと言葉がふわふわしてる。


「耐震化」―――。


例えば住宅に限れば、全国4700万世帯のうち、昭和56年以前の木造住宅に住む1000万世帯が阪神クラスの地震が起これば倒壊する可能性があると言われている。こうした被害を軽減するために何をしたらいいのか、まずは建物を地震に対して強くするのが先決だ、だから診断を行って、改修をしましょう、と。

ところが、ケースバイケースとは言え、耐震改修は100万〜300万はかかる。しかもいつ来るか分からない地震に備えてそれだけの投資を今すぐにやろうという気にはそうそうならない。(平成16年・17年に内閣府が行った特別世論調査からも、経済的インセンティブが働きにくいことが耐震化の進まない原因であることが分かる)そもそも戦後日本では、古くなった家をメンテナンスしながら使い続けるのではなく、建替えで対応していく新築志向が基本的な流れだったから、「今の家を耐震改修しませんか」と言っても、「?」という反応になる。

だったら、法制や予算、税制、融資といったあらゆるツールを使って支援していこうじゃないか。

そういう考え方にたどりつく。

ただ、俺の中で「耐震化」の必要性は何となく理解できても、耐震化が必要な家って具体的にどこが危険で、どの地域に多くて、どんな人が住んでて、その家に住んでるひとの防災に対する意識ってどんなもので、と言った「政策対象の顔」が全然見えてない。そして、耐震化された未来の世界で果たしてどれだけの地震被害が軽減できるのかも俺には見えていない。

まー半年でそこまで分かっちゃったら怖いわけですが、「耐震化」という言葉の中身を俺はもっと具体的に勉強していかないといかんと思う次第です。


これから就活する人らには、とにかく視野を広げてほしい。俺自身がえらく狭い視野で就活してただけに、あえて強く主張したい。わずかばかりの情報に左右されて、自分の可能性を勝手に狭めるな。