初体験②

今日も早めに帰れたのでここまできたら1週間連続更新を目指す!

初めて「審議会」なるものに出席した。末席で傍聴してただけだが、要はその道に詳しい大学の先生はじめ有識者をお招きして、ある政策テーマについて複数回にわたってご議論いただき、行政に対して一定の指針を答申していただくというもの。

で、会議自体は初回ということもあり事務方から問題意識を先生方にご説明するほうに比重が置かれていた。次回からはより具体的な論点に入ることになるのだろうが、残念ながら来週からしばらく長期研修に出るので帰ってきた頃にはもう答申が出ているという按配で、ちょい残念。でも局内の全幹部と有識者が一同に会す場を見れたたのはいい経験。

それに「ロジ」も体験できた。何時から何時までどこの会議室を押さえたらベストか、配席はどうする、飲み物は用意するのか、マイクはいるのか、マスコミ用の椅子はいくつ用意するか等、裏方作業をこの世界では「ロジ(※)」と呼ぶのだが、ロジがスムーズに動かないと何も進まない。なのでロジのうまいやつはデキる、そうでないヤツは使えない、ということになってしまう。これから何かとロジを任されるから、今日の体験はいい予習。人様にお膳立てされるのが大好きで気が利かない自分を鍛え直すいい機会だと思って頑張ります。

※ロジ:logisticsのこと。戦場における「兵站(弾薬の運搬など)」が本来の意味。転じて裏方。要は上のひとが困らないように徹底的にお膳立てしとくこと。反意語は「サブ」。実体を表すsubstantialのこと。ソフトとハードの関係と思えばいい。サブというと「副」の意かと思うがそうではなくてむしろメインの部分を指す。だからこの業界の人間が他業界の友達と合コンやら飲み会を開くときに、うっかり「じゃあロジは俺がやっとくから」などと言うと友達から変な顔をされるのが関の山。

あと最近俺がたくさんやった仕事といえば、いろんなミーティングに出て発言のメモとりをして、議事の要点をA4一枚に起こす(一枚紙ルール(※))という作業。しかし何せ政策の第一線を担うひとら同士の話し合いだから、ぽんぽん専門用語が出てくる。それに逡巡していると、どんどん話題が次に進んでしまう。

だいぶ数をこなしたので薄々コツは見えてきたが、やっぱり難しい。議事録で求められるのは単なる要点の整理ではない。「主張を裏付けるためにこういうデータや理由を提示してくれ」的なことを、相手が議論のどこかでポロッと言ったのをきちんと拾い出すこと(いわゆる「宿題項目」)のほうがもっと大事。宿題項目がきちんと把握されてないと、次も同じとこでつまづいて結局何も話が進まずということになりかねない。相手は決して最後に「今から言う項目を次回までに調べてきて」なんて言ってくれるわけはなく、議論の最中もはっきりと「このデータ調べてきて」と言ってくれるわけでもない。その中で、「ここは次回までに詰め直す必要があるな」という論点を自分で選択しながら議論を聞くわけです、理想的には。この業界に限らずどの議論の場でも必要な基本能力だとは思うが、ぶっちゃけ今は話の流れを追うだけで精一杯。徐々に議論そのものを自分の血肉にできるくらいになりたい。

※一枚紙ルール:何か資料を配るときには、簡潔に内容をまとめたものをA4一枚にまとめて一番上に添付しとくのが美徳とするルール。あくまで書面主義の世界なので、このブログのようなダラダラした文章は最も嫌がられる。

内容を徹底的に短くまとめると言えば、この間、国会の質疑のやりとりを一番上の大ボスが知りたいということで、質疑概要を各質問者ごとに1枚以下でまとめろという指示が巡り巡って俺のところにも降ってきた。しかし質疑は3時間に及ぶ長丁場で、各人5つほど質問し、それに対し2人が回答するので、1つの質問文を2行弱、回答文を2〜3行程度にまとめても、各ターンごとに発言者の名をいれていくと、軽く1ページを超えてしまう。

そこを何とか範囲内に収めて上司に提出した。しかし翌朝大ボスの手に渡ったペーパーを見ると、上司による大幅なカットが入ってさらに短くなっていた。忙しい大ボスのために、とことん短く、でも内容はできるだけ平易に、という観点から対処しなければならない。言うは易いが上司の大胆なカットぶりを見て、能力と経験値の歴然たる差を思い知った次第。恐るべし一枚紙ルール。


そんなこんなで、研修中に「仕事手伝いに来い!」と呼び戻されない限り、明日でしばらく職場とはバイバイ。入社から実質19日間しか働いてない。色んなことを学んだようで、何も学んでない気もする。ま、これからこれから。


それにしても最近「仕事」カテゴリばっか。悲しい…。