そしてこれまた久しぶりに本を買った。

柳田邦男編「阪神・淡路大震災10年―新しい市民社会のために―」(岩波新書

こないだ読んでちっとも感銘を受けなかった産廃戦争に関する新書なんかと比べたら、格段に優れた文章。思うに、俺はどうも文章を演繹的に書く癖があるが、ジャーナリストのような帰納的な文章を書けるようにする訓練もしておく必要があると痛感した。そしてそれを場面ごとに使い分ける能力を養うことが大事なのである。

新潟中越地震との比較もまじえつつ大震災後10年の防災に関する動きを検証したタイムリーな一冊。年明けにすぐに買おうと思いつつ今日まで過ごしてきた。

ル・コルビュジェ「輝く都市」(鹿島出版会SD選書)

ちょうど1年前に俺板で、俺とムネマサの間で話題にのぼったこの本。柳宗理も戦場に持っていったというこの1冊。買おう買おうと思っていて今日まで先延ばしになっていた。

表紙裏をみると

「輝く都市」はル・コルビュジェの都市計画案のなかでも広く知られたものであり、20世紀の都市計画のあり方に最も影響を与えてきた都市像のひとつである。本書はその設計理念を語るものであり、都市に関心をもつ者にとっての必読の書である

とまである。そうでございますか。

訳者あとがきによると、本書は1947年刊行の「都市計画の考え方(MANIERE DE PENSER L'URBANISME)」の邦訳であり、「輝く都市」理論の解説版・要約決定版だということだが、それはつまり原書で適切に「輝く都市」と題された本は今日買った本の原書とは別にある、ということなのだろうか。よく分からん。

ひたすら抽象的なことが書かれた最初の30ページちょいしか読んでないのでなんとも言えないが、第二次大戦の激動を体験した彼は機械化文明の登場という革命的状況の到来に大きく心を動かされている様子が伺える。このお話はどういう方向へ進んでいくのか楽しみ。