8人の女たち

('02仏、監督:フランソワ・オゾン、主演:エマニュエル・ベアールカトリーヌ・ドヌーブほか)

ずいぶん前に観たんだが忘れないうちに。(調べてみたら映画のこと書くの1ヶ月ぶり…うーむ。)

往年のフランスの名女優らが競演するサスペンスかつミュージカルの映画。ミュージカルの部分は正直いらない。最後にばーさん(ダニエル・ダリュ―)まで歌い出したときにはリモコンを画面に投げつけそうになった。


クリスマスの朝、一家の主が何者かに惨殺された。状況からして密室殺人しかありえない。だとすれば犯人は私たち8人の中に…

つぎつぎと「実は私ね、…」という形で矢継ぎ早に新事実が展開されていくため、視聴者は「いったい何が正しいの?」とワケワカメ地獄に呑みこまれていく。


この映画の特徴はなにより、舞台仕立ての撮影をしている点である。常に複数人(場面によっては最大8人)がひとつの画面の中におさまるように撮影される。顔アップの切り替えしはない。人物の配置が普通の映画ならありえないような横並び一直線の場面もある。あるいは新事実を告げる人物を際立たせるために、ロミオとジュリエットよろしく一段高い段のうえに彼女を立たせたり。セリフも(もちろん俺はフランス語を解さぬが)わざと大袈裟な言い方にしてある。

舞台と映画のコラボレーションということだろう。テレビの小さい画面で見るにはやや不向きということになりかねない、そこはフランス映画、鮮やかな色使いで各人物の輪郭を際立たせているし、何より各女優の顔立ちや風貌がはっきりしているので、小さい画面の中でも十分通用するのである。


なお、俺は家族と見てしまったことを後悔している。気まずい雰囲気になること請け合いなので観るときは相手を選びましょう。


ちなみに、キャストのひとりであるカトリーヌ・ドヌーブは最近不正報酬受領の疑いで捜査当局の取調べを受けているらしい。
http://www.asahi.com/culture/update/0118/009.html
現ナマで計1100万円てすごいなぁ…。