最近買った本・雑誌

宇宙のひと粒(作・太田朋)

中古で100円!
太田さんの絵はみんなもどっかで一回はみたことあるはず。
世間では癒し系と評価されてるけど、詩を読み合わせながら絵を見ると、むしろ和み系というべきか。まぁ大してかわらんな。

Ateliers de Paris(著・Jeu de Paume)

美の都パリに住むアーティスト達のご自慢のアトリエの様子を収めた写真集というかガイドブックというか。
いいな、アトリエって。

アトリエの何がいいかって、この無造作かつ雑多な内的空間。
おれ前にこのページでビレッジバンガードの例を挙げて書いたことあると思うけど、シンプル+統一感のある空間って、結構想像通りに実現できると思うのね。あるテーマに沿って物の配置とか色とか決めればいいし。
でも、無造作な中に美を見出す空間作りって、相当センスが問われる。雑多な、それぞれに強烈な個性を持つ物をいかに統一的にまとめあげるかって、ごっつ大変。100人のわがままな小学生どもがそれぞれ勝手にギャーギャー騒いでるのを、何とか一列に並べようとするようなもん。
煩雑さの中に共通性を見出して配置し、なおかつそれをあとから外部者が見てもすぐにその共通性がわかるようにしなければならない。

アトリエって、無意識か意識的だかわからんが、なるほどうまくそれが表現されている。でも、おしゃれさんが作る雑多系の部屋と決定的に違うのは、無造作に置かれてる個々の物それぞれが有機的につながってること。画材やらカナヅチやら鍋やらが、それぞれに日々「使い込まれている」ことで、単なるものを超えた生身の物体としての有機性をかもし出してると思うんよね。だからそれは一日や二日でマネできるものではない。

・・・なんか臭い話になってきたからやめます。

LIFE :SMILES BACK(Philip B. Kunhardt)

アメリカの雑誌LIFEに収められたおもろい写真を集めたペーパーバック。全部白黒。

日常の何気ない生活の、ちょっとおもしろい場面をさりげなく切り取ったって感じで、見ててくすっと笑える。

俺あんまりこういうのを紹介するの上手じゃないけど、たとえば
・なぜか木の上でアホ面さらして昼寝してるライオン
・美術館に来てる子供が絵画じゃなくて、壁の通風孔の奥を興味津々に覗いてる後姿
・通りの画廊のショーウィンドウにポルノ絵画が飾ってあるのを見て仰天してるオバサン
・猛暑の中でついに失神して倒れかけているバッキンガム宮殿の衛兵
とか、見てて和むというか、ハートウォーミングというか。

前からこの本ほしかったので中古で見つかってラッキー。

LiVES

これから家を建てるひとのためのインテリア雑誌。
前々号あたりから買い始めた。
(それまではもっぱらインテリアJACKとかその手の一人暮らし向き低俗雑誌)

まぁ広い家に住むからこそこういうインテリアができるんだよねーとしか言えないけど、たかが一人暮らしの部屋でもマネできることはマネすべきだ!!


けど金ないから無理。


最近のはやりは空間を広く見せた無機質な感じ(木は取り入れてるけど)なのかな?まぁいかにもモダンというか。劇的ビフォーアフターで改築後ってだいたいそういう感じよな。

でも、空間広くするのもこざっぱりするのもいいんやけど、「この空間、寒そう」というイメージがどうしても付きまとう。
てか事実寒いだろう。出てくる物件はだいたい天井高いから、冬はエアコンがんがんかけないと。

俺が家建てたらやっぱ「温かみ」は絶対ほしい。それは温度じゃなくて、空間自体が醸し出す温かさ。
だから木材は不可欠だけど、それを無機質な使い方するのだけは避けたい。どうすれば温かみのあるモダンな部屋にすることができるんか分からんけど、ひとつの鍵は照明やね。明かりひとつで部屋の印象は随分変わるから、空間の広さを照明で補うことは十分可能。


SIGHT(ロッキング・オン社)

今日本屋をふらふらしてたらふと目にとまったこの雑誌。

F先生が坂本龍一と一緒にババーンと表紙に出てるやん!!

ということで買ってしまったミーハーボーイ。

渋谷さん、相当覚悟して「非戦と反戦」というテーマで特集組んだみたいで、その意気込みは冒頭の文章のみならずインタビューのために集めた面子を見ればなるほど。
酒井啓子マイケル・ムーア姜尚中青山真治ほか。

まだ先生×坂本さんしか読んでないけど、単なる時事的評論に留まらずに全体的な考察をしてるので、確かにその辺の雑誌の記事とは質は違う。二人とも単なる理想主義的平和主義ではない、もう一歩踏み込んだ論理的な平和への道を模索してる点で共通。(先生のその考えは同じロッキング・オンから出た新著でも十分に表明されてる)。で、もっとおもしろかったのは、二人とも世間的には結構「お前バカだな」という感じで叩かれる立場であることを分かっていて、できる範囲でやろうとしてること。「やばくなったらやめるかもね」とはぐらかすあたりがまた良い。