チーム・バチスタの栄光

文庫版で。

くそおもしれーな、これ。あっちゅー間に読み終えてしまった…。

こいつこれで本当に新人作家なのか。しかも本業は医者で、片手間にこれ書いたなんてとても信じられないんですけど。。

リアルで恐ろしいくらいの臨場感。
随所でどんでん返しを入れてくれていて、痛快です。

個人的に面白いなと思ったのは、主人公の田口公平がとても不安定な存在であること。一見、ずっと同じキャラクターで描かれているように見えるが、序盤と終盤で実は全く異なる印象を与えている。物語はわずか2ヶ月(そう、ちょうど今の2月中旬から3月下旬にかけての2ヶ月)を扱っているのに、この短期間で主人公が様々な出来事をくぐりぬけていくなかで精神的に強く、大きくなっていく姿が描かれている。年齢的にはすでに成熟しているはずのおっさんを主人公にしているにも関わらず、実はまだまだ成長の余地がある人物として描いている点が興味深い。