その後5

自分が書いた条文が他の人の手で改正されるというのはなんとも不思議な気分である。しかしこの改正の新旧対照表(PDF参照)を読んだだけで、概要説明にあるような大規模な手続き上の効果が生じると理解できるひとは、いったい世の中にどれだけいるんだろう。

わずか数行の文言を省令に書き加えるだけで、個々の申請者にかかる負担が大幅に変わる。その総量を日本全体で見れば、ものすごい量になる。

法令というのはつくづく役人の小手先の技術で成り立ったインチキくさい世界だと思う。

法令の民主化

この言葉は、パラドキシカルだが、3年役人やってみて痛烈に感じる問題意識である。法律はいったい誰のためにあるのか。

こういう状態を解消するための方法として、パブリック・コメントという制度が導入されたが、これも実際の運用は非常に負担が大きく、あまり効率がよくない仕組みになっている。

どういう方法であれば、誰もが納得した形での法令形成が可能になるのだろうか。

改正建築基準法の円滑な施行に向けた取組について
 〜建築基準法施行規則の見直しの公布・施行〜

 去る10月30日に公表したとおり、改正建築基準法の円滑な施行に向けて、事務手続きの合理化や解釈の明確化を図る観点から、建築基準法施行規則の見直しを行うこととしていたところですが、本日11月14日付けで公布・施行されましたので報告します。

大臣認定書の写しの添付の取扱い
 建築確認申請の際に、構造方法、材料等に係る大臣認定書の写しについては、審査機関が認定内容を確認できる書類(当該認定書の写し、認定の内容を収録した図書)を有していない等の理由により、申請者に提出を求める場合に限って添付を要することとする。

軽微な変更の取扱い
 間仕切りや開口部の変更であって構造安全性、防火・避難性能が低下することのないもの等については、「軽微な変更」として扱い、計画の変更に係る確認申請を要しないこととする。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/071114/01.pdf

改正建築基準法対応で、施行規則緩和 国交省
2007年10月30日 朝日新聞
http://www.asahi.com/housing/jutaku-s/JSN200710300002.html

 国土交通省は10月30日、改正建築基準法の円滑な施行に向けた取り組みについて発表した。

 構造計算書偽装問題の再発防止を図るため、6月20日建築基準法が改正された結果、大幅に建築確認手続きが遅延し、建築着工が激減している現状を踏まえ、建築基準法施行規則を緩和。さらに、実務者向けのリーフレットを配布する。

 施行規則の緩和は、間仕切りや開口部の変更で、構造安全性、防火・避難性能が低下することのないもの等については、「軽微な変更」として扱い、計画の変更に係る確認申請を要しないこととする。さらに、建築確認申請の際に、構造方法、材料に係る大臣認定書の写しについては、審査機関が認定内容を確認できる書類を有していない等の理由により、申請者に提出を求める場合に限って添付を要することとした。


【改正建築基準法】施行規則を改正へ、大臣認定書の添付や計画変更の扱いを緩和
2007/10/31 日経BP
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20071031/512861/

 国土交通省は10月30日、改正建築基準法の施行によって建築確認が停滞している問題を受け、建築基準法施行規則を一部改正することを発表した。現行制度で、確認申請時に提出を義務付けている大臣認定書の写しについて、審査機関側が提出を求めた場合に限定して提出するように改める。さらに、着工後に設計変更する場合の「軽微な変更」の解釈を明確化し、構造安全性や防火・避難性能が低下しない場合は計画変更確認を不要とする。11月中旬にも改正する。

 国交省は改正建築基準法の施行当初、大臣認定を受けた工法や部材、材料などを使用する場合、確認申請時に大臣認定書の写しの提出を義務付けるとの運用方針を示していた。別添図書の写しも提出が必要になったため、提出書類が膨大になり、申請側、審査側双方に混乱を招いていた。国交省は9月25日に建築指導課長名で技術的助言を通知し、別添図書の添付の取り扱いを緩和するなどの措置を打ち出したが、認定書の写しは原則として必要だとの考えは崩していなかった。

 施行規則の改正によって、大臣認定書の写しを提出する条件を大幅に緩和する。提出が必要になるのは、審査機関側が認定書の写しや構造・材料等便覧など、認定内容を確認できる書類を持っていない場合に限る。「認定したばかりの製品など審査機関側に情報がない場合に提出を求めることになるだろう。一般的に使われている製品では添付が不要になる」(建築指導課)。

 設計変更の手続きも緩和する。間仕切りや開口部の変更で構造安全性や防火・避難性能が低下することのない場合などは軽微な変更として扱うことを明確にする。変更した部分は、検査時にチェックする。現行制度では、構造安全性などに影響がない設計変更であっても、建築関係規定に関する変更が生じた場合は計画変更確認が必要だった。このため、申請側からスケジュールの遅延を懸念する声が上がっていた。

 国交省はこのほか、建築確認の円滑化に向けた追加対策として、「実務者向けのわかりやすい新しい建築確認手続きの要点」と題するリーフレットを作成した。申請図書の記載の仕方や訂正、認定書の写しの扱い、構造計算適合性判定、計画変更の扱いなどについて、運用のポイントを整理している。建築関係団体や商工会議所、地方自治体などで配布する。