ジョゼ虎

('03日本、監督:犬童一心、出演:妻夫木聡池脇千鶴ほか)


「帰れって言われてほんまに帰るやつなんか帰れ」


あかん、何かあのゆっくりな関西弁がうつってまいそうや笑。


ええなぁ、この映画。めっちゃ残酷やけど。

「私、福祉の勉強してるんです」ってな女の子が、ラストでは「何で身体障害者なんかに自分の彼氏を取られなあかんのか、めっちゃ腹立った」と臆面もなく吐露する。

この映画のいいところは、こういうセンシティブな部分をあえて隠し立てはせずに描くことで、誰もが経験したことのあるリアリティーを提示していることだろう。

観客はそこから自分の経験に逆戻りして、現実の残酷さを追体験する。

こう書くと何だか難しい感じがするけど、そんなの観てる間に何となく意識の底でふわっと感じるところがあって自然と頭に浮かんでくる、そんな感じをこの映画は催させるわけで、そこがうまい。


どうでもいいけど、俺がこの映画の原作小説の書き手やったら「ジョゼと包丁とたこ焼きと」ってタイトルにするな。
そっちの方がこの話の本質突いてる気がするんやけど、まず間違いなく絶対売れへんタイトルやな笑