The Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)

('04米、監督:ジョエル・シュマッカー、出演:ジェラルド・バトラーエミー・ロッサム

CGが持つ機能をすごく上手に使ってるなという印象。冒頭の古びたオペラハウスが一気に過去のきらびやかな時代に戻っていくとことか、セピア色の写真がズームアップされていくうちに徐々に白黒の動画になっていくのとか、観てるだけで楽しい。これぞ「絵が動く」映画の醍醐味だと思う。

他の表現形式と比べたときに、映画(映像作品)だけが持っている機能って、やっぱ究極的には絵が動くこと、それ以外にないと思う。だから、この「絵が動く」という極めて単純な事実をどれほど面白くプレゼンテーションできるかが映像製作者の腕の見せどころ。こんなん当たり前のやけど、映像作品の中には「別にこれわざわざ動画で撮る必要ないやん。写真でええやん。文章だけでも十分」てなものが結構ある気がする。映像作品は観る者に与えるインパクトがデカいだけに、そのパワーを使いこなせないとしょぼくなる。ドラクエで言えば魔人の斧みたいなもんだ。使いこなせるやつに使ってもらわないと意味がないっちゅうやつね。

で、シリアスなミュージカルにはつきものの道化役の3人(オペラ座の新支配人と落ちぶれたプリマドンナ)が最高にいい味出してる。やつらがいなかったら絶対にこの映画は成り立たない。やっぱ何事もスパイス利かせて本来の味を引き立てるっていう間接的な技を用意しとくのは大事やねんな。

それにしてもファントム哀れすぎ…。俺はなるべくこういうかわいそうな人にはならないようにしたいなと思います(アホ)。