スペイン国民投票、賛成77%でEU憲法承認

 【マドリード=島崎雅夫】拡大欧州の新しい基本条約となる欧州連合(EU)憲法の是非を巡って20日実施されたスペインの国民投票は、即日開票の結果、賛成票が77%に達し、EU憲法を承認した。

 国民投票憲法を承認したのはEU加盟国で初めて。一方で、投票率が50%を切り、国民の関心の低さを露呈する結果ともなった。

 20日深夜(日本時間21日早朝)現在の中央選管発表(90%の集計完了)によると、賛成は77%で、反対の17%(その他は棄権)を大きく上回った。

 同国は1986年のEU加盟以来、計860億ユーロ(約11兆6100億円)の補助金を受けている。投票結果は、同国の親EU傾向を反映するものとなった。

 サパテロ首相は同日夜、「欧州建設に国民は熱意を示した。欧州は一層、強くなるだろう。欧州、スペインの勝利だ」と演説した。投票結果を受け、国会はEU憲法の批准を行う。

 ただ、有権者約3500万人のうち、投票率は42・4%にとどまり、昨年6月の欧州議会選挙時の45・9%を下回った。今後、EU憲法の是非を国民投票で問う9か国の中では、英、デンマークなど欧州統合に懐疑的な国々が多く、スペインの低い関心度が影響を及ぼすことも懸念される。

 EU憲法は、欧州理事会常任議長(大統領)や外相の新設、共通外交安保政策の強化などを規定。2006年末の発効を目指しているが、一国でも批准に失敗すると発効しない。
(読売新聞) - 2月21日11時47分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050221-00000003-yom-int

てか25ヶ国のうち一つでも批准しなかったらEU憲法はおじゃんになるって知らなかったよ…。まだまだ欧州の政治的統合への道は厳しい。アジアの政治的統合構想が本格化するのはいつの話か。アジアの場合、欧州と比べて歴史問題が深刻なうえに、冷戦後もイデオロギー的なバラつきが大きいために政治的なコンセンサスをとるのはなかなか難しい。そもそも統合はいいのかということもあるが、仮にアジアが政治的に統合された場合にそこに日本が入っていないとすれば、そこから生じるデメリットは計り知れない。と書くといろいろ誤解を与えそうですが、アジアに関しては欧州と違ってむしろ安全保障など政治的な側面からの協力体制が60年代ころから盛んになってきて、現在の東アジア共同体構想は予想以上に早い展開で進展している、という見方もあるのでいちがいにはいえません。ただ、すくなくとも欧州のような確固とした意思決定とその執行を執り行う組織をもつ共同体がアジアに存在しないことは確かで、今回のEU憲法国民投票開始の件とも絡んで、今後の動きが注目されるわけです。