リアル(井上雄彦)

リアル 1 (Young jump comics)リアル 2 (ヤングジャンプコミックス)リアル 3 (ヤングジャンプコミックス)リアル (4)

漫画を堂々と読書のカテゴリーに入れてしまうのが俺のすごいところだが、まぁ気にしない気にしない。

図書券が余ってたので買ってみた。

喜多見に住んでたときに近所の本屋がカバーかけずに陳列するもんだから今まで全部立ち読みしてたんだが、やっぱ井上さんのバスケ漫画は持っとかないと後悔するだろうということで、まだ4巻読んでなかったし1〜4まで買ってきた。

ちなみにこないだR太郎が俺板にはっつけてた井上雄彦のHPで「BUZZER BEETER」の全話がタダで読めますが、あれは読むだけ時間の無駄、あまりに話にやる気がなさすぎる(と言いつつ、彼の絵が好きなので何だかんだで全部読んだが)。ただあれを読むと、「リアル」のプロトタイプになってたんだな、というのが何となく感じられる。別にどこがってわけじゃなくて、何となく。俺はフィーリングの男なので。
http://www.itplanning.co.jp/


でだ、「リアル」読んだことないひとはバスケの漫画だと聞いて「またスラムダンクの焼き直しか?」と思うかもしれないけど、これは車椅子バスケの話で、スラムダンクみたいに底なしに明るい話ではない。希望に満ち溢れているわけでもない。登場人物はみんな暗い過去と苦悩を背負っている。そこが「リアル」のリアルたるゆえんなんですが。(スラムダンクも湘北は流川以外みんなそれぞれにちょっとばかし暗い過去があるけどあんまそこはスポットライト当てられてないからね)

ナンパした女の子を交通事故で半身不随にさせてしまい、あげくに冷めた雰囲気の部活になじめず結局学校もやめてしまった不良・野宮朋美。しかし彼はバスケができる場所がほしくて仕方ない。そして半身不随にしてしまった彼女への罪の意識。


バスケにやたら熱い野宮をチームからのけものにしていたバスケ部のキャプテン・高橋久信。昔から何をやっても一番だった彼もまた、ある日交通事故で下半身不随になり、今までの自分と現在の自分とのギャップを前に苦悩する。


中学の陸上スプリンターとしてその類いまれな才能を開花しようとしていた矢先に、骨肉腫で右足を失ってしまった戸川清春。以来もう傷つかないように自分の殻に閉じこもってしまったが、ある豪快な車椅子の男との出会いをきっかけに新たな挑戦を始める。



「体が思い通りに動かない」という抗いがたい現実、それがもたらすコンプレックスとの戦いを車軸に、車椅子バスケという車輪が3人を乗せて動き出した―――――。


あーぁ、勝手にまとめちゃったよ。

井上雄彦スラムダンクを描きたいと言い出したときに編集さんに「日本でバスケの漫画なんて絶対当たらないよ」と言われたらしい。しかし彼は当てた。そこでさらにコアなネタである「車椅子バスケ」を取り上げるというのは、今の地位にのぼりつめた彼でなければたぶん誰もできない勇気ある決断だと思う。(しかも「バガボンド」と掛け持ちで…)

年に1冊しか新刊が出ないのんびりした漫画やけど、気長に応援していきたいと思ってまふ。