trainspotting

('96英、監督:ダニー・ボイル、主演:ユアン・マクレガーほか)

もう何回観たかわかんねーな。
↑のシーンを観るといやでもあのドラムの軽快なリズムが頭の中に鳴り響く。
改めてごちゃごちゃ言う必要はあるのだろうか。と思ったがこの映画のことをきちんと文章で書いたことがないのでちょろっと書いておこう。


ドラッグがもたらすクソな生活から抜け出したいのに、禁ヤクすると退屈になってやっぱりドラッグ漬けの生活に舞い戻る。「みんなと同じステータスの生活」の方へ進もうとするレントンの背中には、ドラッグという名の強力なゴムひもがついている、そんなもどかしさ。いや、ほんとはドラッグではなくて、(レントンがあの実にインパクトのある荒野のシーンで叫ぶように)「クソったれ」なスコットランドという地が原因なのかもしれない。映画の最後でレントンはそのゴムひもを思い切ってブチッとやってみたわけだが、また元に戻る可能性は十分ある。

「もどかしさ」。
これに尽きる。

「みんなと同じステータスの生活」をしても、「ドラッグ漬けのクソな生活」をしても、どっちに転んでもたぶん退屈。何をしたらいいのか分からない。そのもどかしさ。

ここまで極端とはいかなくても、恐らく多くの人が青年期に感じる/感じたであろう焦燥感や幻滅、胸クソの悪さの全てが、ここにはある。ドラッグの部分まで共感したってのなら問題やけどw


何回観てもそのもどかしさを存分に放つ数々のシーンは新鮮に感じられる。
レントンが警察に捕まる直前の瞬間に車のフロントガラスに向かって「HAHAHA!」と笑い飛ばすシーンなんか象徴的だ。もう笑うしかあらへんわ、って感じで。


それにしても、どの役者もほんとにいい演技をするんだが、ロバート・カーライルは掛け値なしにすごいな。目がひとりだけ違う。彼が主役の「フル・モンティ」と「フェイス」、まだ観てないから今度借りてこよう。


あと舞台版では、本作でスパッド役のエウィン・ブレムナーがレントン(主役)をやったらしいが、どんな感じだったんだろうな…イメージ全くできん。