タンカー襲撃

ここ2日、うちの課は日本郵船のタンカーがアデン湾沖で海賊に襲撃されたという事件で持ちきりだ。

海賊というと大抵のひとが「え、海賊なんているの?」という反応を示すが、現代でも海賊は存在する。

2007年の日本関係船舶に関する海賊被害事案については、↓に詳しい。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/10/100111_.html

従来は、マラッカ・シンガポール海峡などでの小規模な海賊事案が多かったが、最近はアフリカ周辺での発生例が増加している。

特に、今回のように、ソマリア沖の海域は近年危険度が増している。ソマリアは、80年代ごろから政情不安が高まり、90年代以降は内戦が泥沼化した。最近では暫定政府が一応全土を掌握した形にはなっているが、以前として不安定な状況である。そうした中で、ソマリア沖海域で2000年ごろから海賊事案が急激に増え始めており、ロケットランチャーなどの重火器を装備した武装集団であることが多い。

アデン湾はスエズ運河ルートの出入口にあたる海域で交通の要衝にもかかわらず、危険度が高くなっている。

今回の事案では乗組員に死傷者が出なかったのが不孝中の幸いだった。