[ニュース]住宅省エネ税制、実現へ

これで俺が入省したときから、耐震、バリフリ、省エネと3点セットの住宅関連の減税措置が3年連続で揃ったわけで、これらに防犯を足した4点セットで要望を本格的に開始した平成16年当時からするとほんとにここまで実現できるとは思いもよらなかったというのが本音だろう。

トン数標準税制もさることながら、税制という行政分野が、事務方の折衝ではなく、最終的には政治的決着で処理されていくという独特の政策形成システムのなせるわざであるとつくづく思う。

そもそも省エネについては、省エネによる費用低下分は所有者の利得に帰属するので、そういう行為に対して減税を認めるのは「お小遣い税制だ」という基本的な批判の克服が最も大きな課題であった。

また、結果として「税額控除」という仕組みが採用されることになったようだが、これは税法の世界では異例中の異例の特別措置である。通常は税率を変えたり、償却資産の償却率を早めたりというのが租税特別措置の一般的な手法だが、一定額を納税額からまるまる差し引くという「税額控除」は、住宅ローン減税、耐震改修促進税制と研究開発促進税制などを例外として、我が国ではほとんど認められていない。

こうした異例の扱いが認められた背景には、詳細は分からないが、やはり来年に迫った京都議定書の目標達成計画の見直しという政治的な状況があったのかもしれない。


いずれにしても、耐震、バリフリを含めて、世の持ち家住宅に住まれている方々には是非大いに活用してお得感を味わって頂くとともに、質の高い住まい造りに取り組んで頂ければ我々としてこれ以上ありがたいことはない。

住宅省エネ改修で所得税軽減 与党税制改正大綱
http://www.asahi.com/politics/update/1211/TKY200712110360.html
2007年12月11日20時50分

 与党が08年度税制改正大綱に盛り込む住宅関連税制が11日、固まった。資金を借りて窓を二重サッシにするなど省エネルギー住宅へ改修をする場合、借金額に応じて所得税を軽くする。「200年住宅」(長期耐用住宅)も固定資産税などを軽くし、環境に配慮する姿勢を強調する。

 対象の省エネ改修工事には、天井や床に断熱材を入れる、断熱性のある高性能ガラスへ交換するなども想定。増改築に30万円超の省エネ改修が含まれれば、1000万円を上限にローン残高の1%にあたる税額控除が5年間受けられ、省エネ改修部分については200万円を上限に控除額が1%分上乗せされる。1千万円以上借りて増改築工事をし、うち省エネ改修が200万円以上なら、初年度は所得税を12万円軽減。借金残高が減って上限を割り込むと控除額も減る。住宅にかかる固定資産税も1年間は3分の1減額する。

 200年住宅は、現行の耐震基準を上回る耐震性能を持ち、耐火などにも優れているとして自治体が認定する新築物件。固定資産税を新築から原則5年間、半減し、不動産取得税も課税標準を1300万円減額する。福田首相肝いりの政策を後押しする。 また、土地の移転登記などの際にかかる登録免許税の軽減措置も、11年3月末まで延長することが固まった。