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一応記録のために。

ノーベル賞OB3人が講演=母校の思い出語る−東大創立130周年
2007年11月10日(土)13:04 時事通信

 東京大学は10日、創立130周年を記念し、本郷キャンパス(文京区)の安田講堂で記念式典を開催した。式典前にはOBでノーベル賞受賞者江崎玲於奈大江健三郎小柴昌俊の3氏が「私と東京大学」のテーマで講演した。

 江崎氏は太平洋戦争中に在学。「(空襲の翌朝)いつもと変わらず授業があった。アカデミズムの存在を感じた」と振り返り、「わたしに創造力があるとすれば、間違いなく東京大学に負っている」と述べた。

 大江氏は恩師との出会いなどに触れ、「出発点をつくってくれたのが東京大学です」と話した。小柴氏は学生に教える立場から「(学生が)やりたいと感ずるテーマを渡してやることが大事なこと」と語った。

 式典には国内外の大学の学長や東大の名誉教授、卒業生ら約1000人が参加した。小宮山宏総長が「東京大学において生み出される知が、日本社会、世界の人々に貢献できるようにまい進すると決意を新たにしたい」とあいさつした。

東大130周年、ノーベル賞3氏が講演…注文と思い出も
2007年11月10日13時8分 読売新聞

 創立130周年を迎えた東京大学で10日、OBでノーベル賞受賞者江崎玲於奈(82)、大江健三郎(72)、小柴昌俊(81)の3氏による記念講演が行われた。

 3人は、安田講堂に詰めかけた学術関係者ら約1000人を前に、目指すべき方向や在学中の思い出を語った。

 ともに物理学賞を受賞した江崎さんは「研究で大切なのは、疑問を発して思考するサイエンスの心であり、大学では論理的な思考力を身につけさせてほしい」、小柴さんは「外国人を教授に採用したり、講義を英語で行ったりして、世界に東大を開くべきだ」と提言した。

 文学賞受賞者の大江さんは「専門を深めていくことは大事だが、若いうちから自分とは異なる分野の知識人とのつながりを高めていくことも大切だ」と話した。

ノーベル賞3氏が講演 東大130周年記念式典
2007年11月10日 中日新聞(夕刊)

 東京大創立130周年記念式典が10日、本郷キャンパス(東京都文京区)の安田講堂で開かれ、いずれも東大OBのノーベル賞受賞者3人が「私と東大」と題して講演、約1000人の聴衆が聞き入った。

 文学賞を受賞した作家の大江健三郎さんは9日、沖縄戦の集団自決をめぐる訴訟の口頭弁論に出廷したばかり。「軍隊が強制したというのがわたしの考えだ。裁判所に来た(右翼の)街宣車は『大江は毎日泣いている』と言っていたが、怒っている」と話した。

 物理学賞の小柴昌俊東大特別栄誉教授は、学生に自分の卒業成績の写しを見せた経験を披露。「わたしはどん底に近い成績だった。東大の学生は成績のことばかり頭に詰まっているが、受け身の認識能力だけで仕事はできない」と力説した。

 同じく物理学賞を受賞し、茨城県科学技術振興財団理事長を務める江崎玲於奈さんは「わたしに創造力があるとしたら、戦前と戦後の間に東大らしい正規の授業ができず、放任主義だったからだ」と述べ、会場から笑いを誘った。