[ニュース]世界遺産 世界のコルビュジェ作品を一括推薦 仏が検討

なんと。。。日本にある作品も世界遺産の一括申請の対象にするつもりだったのか。。それにしても国境を越えた一群の世界遺産って、そんな前例あるんだろうか(役人的前例主義からするとすぐそういうことが気になる。あぁ…ケツの穴がちっちゃい…)。

7月23日17時2分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070723-00000018-maip-soci

近代建築の巨匠と呼ばれるフランス人建築家、ル・コルビュジェ(1887〜1965年)が設計した国立西洋美術館本館(東京・上野公園)が世界文化遺産の推薦候補に浮上していることが分かった。フランス政府が世界各国にあるコルビュジェの作品を一括して世界遺産に推薦することを検討しており、同美術館や文化庁に推薦候補に加わるよう要請した。文化庁は「前向きに考えたい」と積極的な姿勢を示している。
 東アジアで唯一のコルビュジェの作品である同美術館本館は、鉄筋コンクリート3階、地下1階建て(延べ4399平方メートル)。戦後、仏政府に接収されていた絵画などの返還を受けた際、仏政府の推薦でコルビュジェが設計し、59年に完成した。
 同美術館などによると、仏政府は欧州4カ国のほか、日本、インド、アルゼンチンにあるコルビュジェ作品計23件について「世界のコルビュジェ」として世界遺産への登録を目指している。文化庁には今年3月、ジルダ・ル・リデック駐日仏大使から参加要請の書簡が送られてきたという。
 世界遺産への登録には、まず各国の暫定リストに記載される必要がある。日本の場合、国の重要文化財に指定されていなければならないが、同美術館本館は指定を受けていない。重文指定は原則として建設後50年を経過した建物で、築48年の同美術館本館は本来対象外だが、文化庁は「特例的な扱いもありうる」と重文指定に前向きな姿勢をみせている。
 暫定リストに記載されれば、次は国がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会に推薦することになる。ただし、推薦は年1件と制限されているため、仏国内の他の推薦候補との争いに勝つことが大前提だ。順調に仏政府の推薦を受けても、複数国にある近代建築物の登録申請は初めてのケースと見られ、世界遺産委員会で厳しく審査されることが予想される。
 同美術館は「(登録までの)ハードルは高いが、せっかくのチャンスなので精いっぱいのことをやりたい」と話している。【高山純二】
 ▽ル・コルビュジェ 本名シャルル・エドゥアール・ジャンヌレ。スイス生まれで後にフランス国籍を取得した。近代合理主義をモダニズムデザインに進化させたといわれ、「近代建築の巨匠」「20世紀の最も偉大な建築家」といわれる。代表作はロンシャンの礼拝堂(仏、1955年完工)など。コンクリートの四角形の建物を複数の柱で浮かせる構造などが後期作品の特徴で、国立西洋美術館本館も同様の構造になっている。