How to kill neighbor's dog(舞台より素敵な生活)

('01米、監督:マイケル・カレスニコ、出演:ケネス・ブラナーロビン・ライト・ペン、スージー・ホフリヒター)

よくもまぁこんだけ興ざめさせる邦訳タイトルをつけたもんですが、作品自体はすごく楽しい。日常の何気ないことや、誰にでもありがちな悩みをちょっとおおげさに、ちょっとコミカルに描いてる。

見終わって思ったのが、あれだけたくさんのイベント(事件)を2時間の枠に詰め込んでるに関わらず、ストーリーが破綻してないのがすごいなということ。この映画の軸は主に3つ(夫婦関係、仕事関係、そしてエミリーとの関わり)あって、それぞれ独立したテーマを持っているが、(ケネス演じるマクガウィン氏の中で)全部一つにまとまっている。これらをつなぐ役目を果たしているのが、4本目の軸、最初から最後まで正体不明のまま終わってしまったマクガウィンのドッペルゲンガーとの関わりなのかもしれない。


どうでもいいが、作中でドッペルゲンガーは「evil otherself」と説明されていた。俺は単に分身ということかと思っていたが、どうも邪悪なものという意味が込められてるらしい。確かに、NHKの夜ドラでまじ秀逸だと思った「ブルーもしくは蒼」に出てくる稲森いずみドッペルゲンガーもかなり邪悪だったし、黒沢清の『ドッペルゲンガー』もねちこい邪悪なやつだった。あんまりドッペルゲンガーには会いたくないもんである。