覚書

こないだ『RONIN』のことを

わけの分からないトランクケースを奪うために、わけの分からない敵に弾丸を浴びせまくり、結局ミッションの依頼主も最後までわからず、登場人物たちのバックグラウンドもほぼ闇のままという、何もかもわけの分からない映画

と書いたが、こーゆー手法のことを「マクガフィン」というらしい。
ヒチコックが多用した。

観客にとっては「意味のない物」であるが、作中の人物にとっては重要で、それを巡って物語が展開していく物。そしてこれが重要だが「それが何であるかは結局作中では明かされないままに投げ出されるもの」である。

らしい。


マクガフィン」の由来についてヒチコック自身は以下の古いコントから来ていると考えていたらしい。

ロンドンからエディンバラに向けて汽車で旅する二人の男。頭上の荷物棚に紙包みが乗っていた。
「あれは何だい?」と一人が尋ねた。
「ああ、あれがマクガフィンだ。」と相手が答える。
マクガフィンって?」
スコットランドでライオンを捕まえる道具さ。」
「でも、スコットランドにライオンはいないよ。」
「そうか。それじゃ、マクガフィンじゃないな。」


結局マクガフィンって何なんだ…。いや、だからマクガフィンなんだってば。


この辺についてはフランソワ・トリュフォーがヒチコックとのインタビューをまとめた本『映画術』(晶文社)で紹介されているらしい。