フォレスト・ガンプ〜一期一会〜

('94米、監督: ロバート・ゼメキス、主演;トム・ハンクス

実はこないだのテレビ放送まで、この映画をきちんとラストまで観た経験がなかった。前観たときは、ベトナムからの帰国後ダン中尉とテレビ局裏で偶然再会するところまでしか見なかったのよね。それももう6年くらい昔の話ちゃうか。だいいち俺はあまりトム・ハンクスが好きくない。だからまだプライベート・ライアンも観てないのだ。


何にしてもダン中尉に扮するゲイリー・シニーズが最高にいい味を出してる。カッコいい。てかこの人ほんまに両足ないの??嵐の洋上でマストのてっぺんで叫びまくるシーンとかどうやって撮ったの…?すごいなぁ。。。

えび捕り船の様子を見に来たときの彼のさりげない登場の仕方が最高にカッコいい。あの鋭い眼光にも惚れるなぁ。

そして新年パーティのときの何となくピエロくさい、みじめな感じを醸しだすところも素晴らしい。

この役者さん、他に何に出てるのかと思って調べたら『身代金(1996) 』や『アポロ13(1995) 』にも出てたらしいがあいにくどっちも観たことがない。このまま行くとロバート・カーライル並みに好きな役者になりそう。


ま、とにかくこの映画は脚本の勝ちです。当時のアカデミーで何の賞取ったかしらんけど。流れるような語りをハンクスにさせて、文字通り波乱万丈の人生を2時間あまりで濃密に描いてみせたその手腕がすごいの。まぁ誰が観てもそれは感じたでしょうが、俺は当たり前のことを当たり前のように言いたいだけです。

50年代から80年代にかけてのアメリカの空気の変化を如実に感じることができるのもいいね。

改めてこの映画観てトリコロールのレザーコルテッツが欲しくなった。ナイキとハリウッドの戦略にまんまとハメられそうだ(10年越しで笑)


あとこの映画で特徴的なのが、人の死があっさりし過ぎてるところだ。あっけない。母も、妻も。死にゆく様のシーンは一切ない。原題には「一期一会」というのはないはずだが、これを邦題にくっつけたコピーライターはなかなかヤリ手だと思う。本来なら悲しみのどん底に陥ってしばらく人生の歩みが停滞しそうな「人の死」が、あくまで人生のひとつの時点でしかないかのごとく、人生にはつきものだといわんばかりにさらっと流してしまうのがこの映画のやり口であり、そこがまた面白いのだ。そこで停滞してストップしてると波乱万丈の人生は進展しないからね。。