とある小説

今日帰り道に寄った古本屋で、霞ヶ関の勤労者たちの姿を描いた無名な小説を100円で見つけた。いわゆる「キャリア官僚」になった者が陥りやすいいくつかの典型的なパターンが登場する。役所のイロハをとことん重視するタイプ、学閥を過剰に意識してしていつの間にか権力志向になってしまうタイプ、国民の利益よりも自己保身・出世を優先してしまうタイプ、改革を意気込むも強大な組織の論理に太刀打ちできず挫折してしまうタイプ、役所での自己実現に限界を感じ民間へ転職してしまうタイプ、旧態依然とした役所のあり方に愛想をつかして情熱を失ったまま働き続けるタイプ、などなど。かなり霞ヶ関に対する偏ったイメージに基づくと思われる部分も多数あったが、妙に親身になって一気に読み下してしまった。


「埋もれるなよ」

あの人の言葉が頭をよぎる。