マルコムX

('92米、監督:スパイク・リー、主演:デンゼル・ワシントン

スパイク・リーは大のNBA好きで、NYニックスの本拠地・マディソンスクウェアガーデンの最前列にいつも特等席を構えているくらいである。

NIKEがAJ4のCMでジョーダンとスパイク・リーを共演させて以来この2人は仲がいい。

ジョーダンがスパイク・リーの頭をつかんでもち上げてるこの写真↓はジョーダンマニアの間では有名。


だからスパイク・リーに前々から興味があって、スパイク・リーと来たらやっぱ出世作『マルコムX』やろ!という、ただそれだけの理由で観ようと思ったわけだが・・・


ダルい。長い。3h22mもある。編集でボツにし忘れたんじゃないかと思わされるシーンや、超脇役の登場人物を詳細に描きすぎてたりと何となく「無駄」を感じさせる部分が多い。

ストーリーは、黒人運動指導者でKKKに暗殺された父を持つレッド(のちのマルコムX)の、どうしようもない悪党時代から説き起こされて、刑務所で出来た友人ベインズからブラック・ムスリムへの道を諭され、出所後は教団に入ってひたすらイスラム的観点から黒人の地位向上を訴える過激な演説を繰り返し、組織の中ですらねたまれる存在になって、最後には凶弾に倒れる、という流れ。(結末うんぬんより明らかにこの映画はプロセスを重視しているのでネタバレとは言えんだろう)

スパイク・リー的には前々から何が何でも撮りたかった素材らしく、その思い入れというか彼への憧れが随所にちりばめられてはいるものの、日本であんのんと暮らす俺には今ひとつピンと来なかった。


とはいえ、音楽やダンス、衣装、ボストン・NYの街並みとかを見てるだけで十分ブラック・カルチャーに浸れるし、デンゼル・ワシントンの演技が冴えすぎていて怖いくらいである。

そういう「無駄」というか、ストーリーと直接関係ない部分だけを抜き出せばこの映画は良い。

人種や宗教の問題が絡んでて俺にはとうてい適切な表現ができそうにないのでこの辺でやめとく。

時間あるとき、心に余裕あるときに観てみるといいでしょう。