Taxi Driver

('76米、監督:M.スコセッシ、主演:R.デ・ニーロ)

デ・ニーロも映像も音楽もラスト・シーンも、最高にかっこいい!
そのカッコよさはどうしようもないし、
デ・ニーロは最強である。

んだが、何故かそれ以上の「何か」を感じることができず。

俺個人にとってつまらなかったからと言ってクソだと評するつもりはないが、俺がそう感じた最大の原因は登場人物のキャラ設定のあいまいさじゃないか。
だから、感情移入しにくい。

人物の内面を直接描くのは難しいから、ある事件をキャラに体験させることで、いまそのキャラが感じている気持ちは、もしその体験をすれば俺たちも感じるであろう気持ちと同じだよ、という描き方をするのが普通なんだが、この映画はその点でも失敗している気がしてならない。
しかも[たかが拳銃一丁で人生に転機が訪れるほど人間(というか男)は単純なのだろうか]、という疑念もある。。

青春映画、下層階級の映画、恋愛映画、男のロマンの映画・・・、製作者が描きたいものが多すぎて全部同じアクセントで並べられてて見る方は辛い。

現代の視点から見るとこういう冷めたレビューになるのかもしれんが、70年代後半の閉塞感に苛まれたアメリカ社会の中では共感を得やすかったのかもね。よく分かりませんが。


ちなみにいま武藤の記事(Links→L'etranger→Column)をみたら、全く逆のことを書いてた。同じ小学校・大学に通う友達が同じ映画見て全く違う感想抱くなんて実におもろい。
映画について俺がとんだ見当違いをしてる可能性の方が高いけどw