沈黙のあとで

東京サマーランド行ってきますた。

東京のプール初体験。噂に聞く「人と人の間に水がある」感じかと思いきや、大して混んでなかったのでラッキー。とりあえずガキが多くてウザいが、なかにはすっげぇかわいらしい子もいてほほえましい。小便行きたいというのですっぽんぽんでちんちん手で握り締めながらそこら中をウロウロしてる3歳児もいた。こいつの親の顔が見てみてぇと思ってたら、その子のおかーたまの右腕にはおおきなタトゥーが。

帰りしなに八王子のビルディっつーファミレスに寄ったときのこと。俺らの卓の正面に、どこから見てもフツーな感じのカップルがやってきた。女の方もこれといってかわいいわけでもおシャレなわけでもなく、男のほうも、髪も黒いしほとんどぼっちゃん狩りであんまりパッとしな・・・っておい、俺も髪黒いしぼっちゃん狩りやんけ!

そしたらその2人、メニューも頼まず黙りこくったまま席にすわってる。はよ会話せぇやと思って見ていたが、ちーともクチを開く様子がない。女の方はイライラしているようで、ときたま男のほうをきつい目線でにらんだり、「何よこの男」という感じで窓の外を眺めたり。対する男はうつむいたり、お手拭をいじったり、女の方をすまなさそうな顔つきで見たり。そうやってお互い黙ったまま座っていること20分。


その間ワクワクしながら彼らの様子をあからさまに見つめていたウザいもう一組の男女がこの店にいたことは言うまでもない。



すると突然女が席を立った。男には目もくれず、カバンをひっつかんで早足で店を出て行った。あっけにとられた男は最初戸惑っていたが、そばに置いてあったプレゼントの袋らしき紙包みを持って、女のあとを追っていった。


起承転結の転にあたるこの極めて重要でエキサイティングな局面を、こともあろうに久美子はトイレに行っていて見逃した。あぁ、何ということだ。




それから何が起こったのかは、俺らは知るよしもない。


ただ、俺らが店を出て1時間ほど八王子をぶらぶらしてから帰ろうとして通りかかった広場のベンチに、照れくさそうにちょっと距離を置いて座っているさっきの男女の姿があったことは申し添えておかねばなるまい。




要するに八王子狭すぎっちゅう話やな。