あの夏の辛い日々・4日目

朝8時半からG省に並ぶ。最初の人事面接で「うちにとっては採用活動だが、君にとっては貴重な就職活動だから、ぜひ楽しんでいってね」といわれ、やっぱ雲行き怪しいと察知。いつまでたっても原課訪問させてくれないまま夕方になり、やっとお声がかかったと思ったらいきなり「しかるべき人事課の人物」との面接が始まり、こてんぱんにされた挙句へこみまくって控え室へ。「遅刻はしますか?」の唐突な問いは多分4月の直前セミナーで遅刻した事実が尾を引いていたからだろう。案の定16時ごろ「残念ながらご縁がないようで。他の省庁を回られた方が・・・」と言い渡され、「今からすぐにKK省行きます」と言ってGをあとにした。

・・・のはいいけど、やっぱ少しへこんだので、気分を取り直すために日比谷公園でちょっと一息入れて、KK省に電話を入れたら「すぐ来い」と言われた。

11階の待合室に入ると、何でこんな時間に来たのという顔でみんなに見られて恥ずかしかったけど平静を装った。すぐに人事の方と会って、なぜGがダメだったと思うかを聞かれたものの、「すぐ来てくれてよかった、きちんと対応するから待ってて」と言われる。

待合室で知合いを見つけたので、そいつを中心に話を聞くと、どうやら今朝の時点で3つの控え室に振分けられたらしく、ここにいるみんなは必死で上に這い上がろうとしてるひとらだということが判明。

夜、11階全員が呼ばれて集団討論。
途中、抽象的な論点で若干議論が停滞し出した時、俺が具体的な論点を3つ出して打開し、まとめの方向に持っていったのが功を奏した。(自画自賛的だけど、あとでみんなにもそう言ってもらえた。)やっぱ積極的にディスカッションの場に参加してきた経験の蓄積が役立った。

最後の人事面接の対応ぶりで、どうやら俺は11階から抜け出せたっぽいと感じた。ただし、俺がまだ腹をくくってないのを見抜かれてたようで、「うちはむしろドロ臭い仕事の方がずっと多い。その辺も含めて月曜までにしっかり考えてこい」と言われて23時半ごろ解放される。



俺にとって、この日は人生の大きな転換点であり、「人生での失敗は?」の質問に答えられなかった俺の弱さを克服するチャンスが与えられた日でもあったと思う。