過去問サイトの今後
0.はじめに
過去問サイトが抱える主な問題点は次の2点。(tと同じく「まじこまけー…」とは思うが)
1)試験問題自体にある著作権を侵害することにならないか?
2)過去問本を独占的に編集・製本・販売しているT大教材出版に対する営業妨害にならないか?
何とこのこまけー問題を2つとも考えてるひとは他にもいる模様。
http://komuin.nobody.jp/tyosakuken.html
しかしこの記事が問題にしているのは「市販の問題集」からの転載であって、「試験問題用紙」そのものからの転載ではないので、わずかに議論の対象が違う。
とりあえずこの2つの問題を考えてみたい。
1.著作権侵害?
言い換えると、試験問題ごときにそもそも侵害されるような「著作物性」はあるのか?という問題。この点につき、以下の記事を参照。
http://www.it-keiei.com/consult/show/d200303250001.html
この弁護士によると、やはり試験問題に著作物性があるか否かは議論の分かれるところらしく(回答の冒頭)、試験問題作成者の許可もとっておくのが無難らしい(回答の末尾)。つまり、場合によっては先生から文句を言われてもやむなしということ。
が、実際問題として、試験問題を勝手にネットにアップされたくらいでガタガタ言うようなケツの穴の小さい先生はおらん!と信じたい。別に営利を目的にしてるわけちゃうし。だからこの問題はもはや無視!!
一応もっと著作権侵害の問題を考えたい人のための補足
全く著作権法知らないので適当な私見ですが。
1)著作権法13条第二項は使えないか?
2)著作権法18条(公表権)で回避できないか?
3)そもそも著作権法36条(試験問題としての複製)にひっかかるのでは?
2.営業妨害?
著作権よりこっちのが現実的。このサイトが広まることで、T大教材出版との関係で生じそうな障害は次の2つ。
1)クレームがたぶん来る:たとえば「我が社の営業利益侵害だ!」。これに対しては、「そもそもそんな独占的営業は何らかの保護を受けているのか?教授たちや大学との間でそのような契約があるのか?」などの反論をしようと思えば可能だが、ぶっちゃけこっちからの言いがかりに近い。とにかくどんな形であれクレームがくるのは必至。
2)クレーム以前に、実際に収益に影響が出かねない:その理由は以下の通り。
従来の過去問本には次の4つの欠点があった。
①短期間だけの少量販売なため入手しにくい
②学生としては、過去問を「解く」のではなく、単にその先生がどんなタイプの問題を出すのかが知りたいだけなのに、1冊の値段が高い
③自分が受けない科目や、欲しい科目でも違う先生の過去問は不要。
④だから誰か買ったひとに貸してもらって必要箇所だけコピーするパターンが一般化
しかし、それらはこのサイトの3つの利点で解決できる。
①科目名と教官名の2項目ををページ右下の検索バーに入力すれば、必要な過去問だけを的確に入手できる
②「製本・発行」というプロセスがないため、極端な話、試験直後に更新可能なくらいタイムリー
③ネット環境さえあれば24時間いつでもタダで過去問が入手可能(ネット代だけ)
だからサイトの利用が広まると、確実に過去問本の売れ行きは低下するだろう。
(何て排他的なマーケットだろう・・・売り手がT大教材出版一社で、買い手が学生だけというのがこの過去問マーケットの特殊性。ここに無料かつ豊富な品揃えの売り手が新規参入するとマーケットは一変する。財力に乏しい学生にとってタダほとありがたいものはない。)
とすると出版社側との摩擦は十分ありうるが、このサイトとしては当然そんなの不本意きわまりない。しかしここでひとつの疑問。
「毎年短期間内に限定少数発行しているというのは、逆に見ればこの過去問ビジネスはあまり儲けが出てないのではないか?」
ここからある希望的観測が出てきた。
「過去問へのニーズが本からこのサイトへシフトしてくれたら、不採算部門を廃止できてむしろ出版社側としては大助かり!?」
何とかならないだろうか?
3.問題の回避
そこでこれらの問題を回避しつつ便利な過去問データベースを実現する方策として、以下の(結構大胆な)プランを立てた。
1)まず直々に出版社側にお伺いを立てる。幸いにも場所は銀杏メトロの目の前。「過去問へのニーズは大きいものの過去問本にはかなり欠点がある。そこで当サイトに一任してもらえればこれまで以上のサービスを無料で実現できるんだが、いかがか?」
2)もしOKが出たとしても、やはり個人運営は問題が多い。そこで法学部のある程度公的な組織に運営を完全委託する。たとえば、最近「法学部砂漠」の緑地化に努力している「M会」。あるいは優秀な人材を抱える「H律相談所」。いずれにしてもデータベース更新の上で、個人よりは組織としての強みがあるのは明らか。
4.おわりに
何とまぁ楽観的で適当なプランだろう(しかも問題分析に比べて対策編の薄っぺらいこと…)とは自分でも心底思うが、何とかしてネット上の無料過去問データベースを実現したいなぁと。それはいまの過去問本がかなり不便だからということ(「独占による厚生経済の死重的損失」がモロに発生していると思う)と、今後の後輩たちが無駄な出費をしなくて済むようにしてあげたいと思うから。卒業前に何か熱いことをやってみたい。コンピュータ上の作業が熱いわけはないんですが、どうですかね、この案。「勝手にどうぞ」「逝ってよし」「うをー…まぁ頑張って…」など以外の建設的意見を持ったひとがもしもいたらぜひコメント下さい。あと協力者ぼしゅー…俺も3月はほとんど東京おらんのであまり動けませんが…。