GO!GO!L.A

(原題:L.A without a map、'98、英・仏・フィンランド、監督:ミカ・カウリスマキ、出演:V.ギャロ、J.デルピーほか)

ツタヤのタダ券もらったので借りた。
楽しい映画ですな。
何でフィンランドが製作に絡んでるの??

ヴィンセント・ギャロの出演映画はこれで2作目。ギャロを知ってるひとは結構いるかもだが、彼は映画俳優であり映画監督でありギタリストであり絵描きでありバイクレーサーでありモデルであるという、およそ世の中の「カッコいい肩書き」を全て持つ超「cool」なおっさん。氷のような目つきと妙に音域の低いナイスな声がまたカッコいい。

この映画でギャロの吐く台詞はほぼcoolという単語だけ。「そんなくだらねぇこと忘れちまいな」と言いたいときも「It's cool」で片付ける。すげぇ。何て便利な言葉だ。LAっ子のシンバもクールを連発するよな。

てわけで、このお話の主人公は、スコットランドで地味に葬儀屋を営んでた一人の冴えない青年。ある日、いつものように墓場で葬儀を取り仕切っていたら、ロサンゼルスから旅行にやってきた女の子が現れて、一目ぼれ、名前しか聞かなかった彼女に再会すべく、平凡な毎日をかなぐり捨てて夢の街・LAへと彼は旅立った・・・

LAで知り合った気のいいイカレ野郎役がギャロなわけだが、ギャロ以上にいい役を与えられたのが、特別出演のジョニー・デップ。どういう役柄かは実際に本作を見て欲しいが、この映画で一番おいしい役回りだ。デップの顔芸に注目。あれを素人がやろうと思ってもそう簡単にはできない。

あと、なぜか俺が一番感動したのは、冒頭で主人公が女の子とデートしてて雨が降ってきたときの、女の子がさしてた傘の色。スミレ色?ラベンダー色?とにかく落ち着いた紫の色が薄暗い雨の街と絶妙にマッチしててほんとにいい絵だと思った。

でもこの映画のラストは実に気に喰わない。なんだ、この女は。